2020年6月7日撮影
「真言宗 智山派 鳥海山 龍頭寺」は、山形県遊佐町の上蕨岡(かみわらびおか)地区にあります。
2018年5月撮影
前回龍頭寺さんにうかがったのは、本堂玄関の改修工事のため仁王さまが150年ぶりに一時的に本堂に動かされた昨年(2019年)の11月。
仁王さまが本堂に横たえられ、ふだんは見ることができない足裏を見たり触ったりすることができる特別参拝の日です。
あの頃はまだ、中国の武漢で発生した新型コロナウイルスが全世界に蔓延するなんて誰も想像できず・・・
2020年5月末にやっと緊急事態宣言が解除になったので、マスクをして会いに行きました。
本日は、仁王さまのその後をお伝えします。
目 次(クリックするとどこからでも読めます。)
1. 2018年5月龍頭寺の仁王さまと最初の出会い
私が初めて龍頭寺の仁王さまに出会ったのは2018年5月。
「鳥海山大物忌神社の蕨岡口の宮」に参拝に来たときに、おとなりの龍頭寺さんにも立ち寄り、はじめて仁王さまにお会いしました。
本堂の入り口の向かって右が阿形(あぎょう)の仁王さま、左が吽形(うんぎょう)の仁王さま。
2018年5月右側の阿形の仁王さま
<像高:3m39cm/重量:204kg>
2018年5月左側の吽形の仁王さま
<像高:3m39cm/重量:215.9kg>
遊佐町指定の有形文化財で、阿形の仁王さまは口を開き吽形の仁王さまは口を閉じていました。
仁王さまは、はじめから龍頭寺の玄関に祀(まつ)られていたのではなく、明治6年(1873年)の神仏分離令のときに、おとなりの鳥海山大物忌神社蕨岡口之宮の仁王門(現在は随神門)から移されて来たのです。
仁王門(現在は随神門)
おとなりの鳥海山大物忌神社蕨岡口之宮の仁王門は、たしかに空っぽです。
空っぽの仁王門
2. 2019年11月の特別参拝で見た仁王さまの衝撃の光景!
特別参拝の日、ドキドキしながら本堂の入り口を開けて目に飛び込んできた光景は、運ぶときに傷つけないように体をさらしで巻かれたお姿!
大ケガでもしたかのような痛々しさで、わたしはまるでケガの回復を祈るような心境でした。
仁王さまの頭がはずされたことにより、大発見がありました。
吽形の仁王さまの首元に、いつだれが仁王さまを作られたか書かれてあるのが見つかったのです。
2019年から227年前の1792年(寛政四年)に松山の佛師である清治郎さんが仁王さまを彫り、檜物町の塗師である治兵衛さんの息子の幸助さんと、三良兵衛さんの家の多助さんが朱色に塗って像立。
これは本当に、歴史的な大発見です!
3. 2020年6月7日リニューアルされた仁王さまと再々会
あれから7カ月の間に、世界が大きく変わりました。
海外では都市封鎖されるほど、新型コロナが猛威を振るいました。
日本では緊急事態宣言がようやく解除されましたが、まだまだ油断はできません。
でも、仁王さまがずっと気になっていたので会いに行きました。
以前とちがっていたところは、仁王さまにちゃんと台座がつくられていたところ。
台座に乗っていたため、仁王さまがますます大きく立派に見えました。
しかも、仁王さまの足のサイズにぴったりの下駄まで準備されていました。
なんて粋な計らいなんでしょう!
仁王さまを想う地域の方々の気持ちに、心がほっこりしました。
仁王さまのお顔を覗き込むと、なんと目が合ったような・・・?!
いいえ、確かに目が合いました。
「約束守って、よく来てくれたのぅ」って言っていただいた感じがしました。
「新型コロナのワクチンが早く開発されて、マスクしなくても歩けるように」
「神奈川で働いている息子に、早く会えるように」と心で念じました。
長い歴史の中で、どんなに困難なことでも乗り越えてきて今があると思います。
今はまだ我慢のときですが、一日も早く穏やかな日常にもどってほしいものです。
仁王さまのお守り散華札
散華札の裏
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