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【山頂御本社と中の宮】鳥海山と大物忌神社はみんなの心のよりどころ!

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中の宮2

中の宮

私が住んでいる山形県の遊佐町には「鳥海山大物忌神社(ちょうかいさんおおものいみじんじゃ)があり、鳥海山の山頂に御本社(ごほんしゃ)があります。主祭神は「大物忌神(おおものいみのかみ)」です。

「出羽国一之宮(でわのくにいちのみや)鳥海山大物忌神社」は、山頂の御本社と吹浦(ふくら)の大物忌神社・蕨岡(わらびおか)の大物忌神社、そして大平(おおだいら)山荘の広場にある「中の宮」、箕輪地区にある境外末社の「丸池神社」で成り立っています。

一宮とは・・・
ある地域の中で最も社格の高いとされる神社で、「一の宮」・「一之宮」などとも書く。(ウィキペディアより)

一宮の半纏(はんてん)

吹浦口之宮奴振り(やっこふり)衆の
半纏(はんてん)に「一宮」

1.鳥海山山頂に御本社(ごほんしゃ)があります。

鳥海山は山形県と秋田県の県境に位置しており、標高は2,236mです。山頂の住所は「山形県飽海郡遊佐町吹浦字鳥海山一番地」。

鳥海山が東北で一番高いとばかり思っていましたが、一番は福島の燧ヶ岳(ひうちがだけ)で2,356m。それに次いで120mの差で鳥海山は二番目でした。別名「出羽富士(でわふじ)」とも呼ばれています。

鳥海山は山全体が神様である「神体山」になっており、豊かな恵みをもたらしてくれる半面、今までに十数回の噴火を繰り返してきました。活火山であるということをついつい忘れがちになりますが、どこからでも見える鳥海山を、四季をとおして私たちはいつも親しみを持って見上げています。

山頂にある鳥海山大物忌神社の御本社(ごほんしゃ)の本殿は、伊勢神宮(三重県伊勢市)の社殿と同じ20年に一度立て替えられます。これを「式年造営の制」と言い、ちょうど昨年(2017年)立て替えられ、7月8日に遷座祭(せんざさい)が行われました。

遷座祭(せんざさい)とは・・・
神殿を新しく造営・修理する際、竣工後、神体を移す祭儀。(ブリタニカ国際百科事典 小項目事典より)

私の集落では、「鳥海講」(ちょうかいこう)と言って五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈るため、集落の代表者らにより、毎年9月に山参りが行われています。でも山参りは山頂の御本社までは行かず、4合目の国民宿舎・大平山荘の広場にある「中の宮」でお参りしています。山参りの話は、のちほど詳しくお話いたします。

鳥海山への登山は、毎年小学校の行事でも行われていて、今ではすっかり大人になった子供たちも、6年生の夏に親子で山頂まで登りました。いつもは見上げるだけの対象だった鳥海山のてっぺんに、自分の足で一歩一歩踏みしめながら歩き、苦労してやっと頂上までたどり着いた時の達成感は忘れられません!

親も子供も御本社でお参りし、登る前よりも鳥海山と大物忌神社がさらに身近な存在になっています。雪のない鳥海山

2. 鳥海山大物忌神社の「中の宮」に山参り(鳥海講)

鳥海山大物忌神社には大物忌神とともに、農業神である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)豊受姫神(とようけひめのかみ)も祀(まつ)られています。私の集落では、五穀豊穣(ごごくほうじょう)を祈って毎年9月に「山参り」という行事が行われます。

以前は、7合目の御浜(おはま)神社まで参拝していたということですが、現在では4合目の国民宿舎・大平山荘の広場にある「中の宮」に、代表者が数人で参拝してきます。参拝にはお餅やお酒などのお供えを持っていき、下山したあとには集落の神社で「坂迎え」をして参拝してこられた方々の労をねぎらいます。

長老が「綾(あ~や)に~、綾(あ~や)に~・・・」で始まる神拝詞(しんぱいし)を唱え、お神酒をいただき、祈祷してきていただいたお札と「中の宮」に供えられたお餅をありがたく持ち帰ります。山参りは毎年かかさず行われ、地域の安全も併せて祈願されます。

私は一度も「中の宮」に行ったことがなかったので、どんなところか見てみたくて5月の中旬に行ってみました。

国民宿舎・大平山荘

なぜ「中の宮」が建設されたかというと、昭和49年(1974年)に鳥海山が153年ぶりに噴火し、その頃は山頂への入山規制があって参拝できなくなったからです。「中の宮」は、大平山荘の正面向かって右の広場の端にありました。
大平山荘の方はすっかり除雪されていて、雪がなくなっていましたが、「中の宮」の方はまだ除雪されていなくて、鳥居も社号標もまだ半分が雪でおおわれていました。

中の宮1

中の宮2根雪で固かったので近くまで寄ってみると、鳥居は豪雪に耐えられるようにコンクリートでできていて、「中の宮」もコンクリートでおおわれていました。

コンクリートの鳥居

社号標は、なぜか周りだけ雪が溶けていて、「中の宮」の文字が下までちゃんと読めるようになっていました。

中の宮 社号標

山頂までお参りに行くのは体力的にとても大変なので、「中の宮」でお参りできるのはありがたいことですね。「大物忌神社」も「鳥海山」も、ずっと私たちの心のよりどころであり続けてほしい・・・と心から願います。

JR吹浦駅から車で20分

日本海東北自動車道 酒田みなとICから車で35分

<遊佐町のあちこちから見た鳥海山>

鳥海山1

2017年5月(遊佐町岩川から撮影)

鳥海山2

2017年12月(遊佐町当山から撮影)
<手前の赤い鳥居は剣龍神社>

鳥海山3

2018年4月21日
<遊佐町中山河川公園桜まつり>

鳥海山4

2018年5月27日
<遊佐町新吹浦橋から撮影>

稲刈り後の田んぼと鳥海山

2018年10月6日
<稲刈り後の田んぼと鳥海山>

鳥海山に雪

2018年11月18日
<11月初めから鳥海山に雪>

参考図書:週刊日本の神社 鳥海山大物忌神社(発行元 ディアゴスティーニ)・鳥海山-自然・歴史・文化(発行元 鳥海山大物忌神社)

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