私の住んでいる山形県遊佐町には、杉沢地区に「熊野神社」があります。主祭神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)です。
この熊野神社で、毎年8月に地区の住民により「杉沢比山(すぎさわひやま)」と呼ばれる番楽が舞われます。8月6日は仕組み(しくみ)、8月15日は本舞(ほんまい)、そして8月20日は神送りと名付けられ、3夜にわたって奉納されます。時間はいずれも夜7時からで、薄暗がりの中それぞれ2時間~3時間かけて演じられます。
番楽とは・・・
秋田・山形両県に分布する山伏神楽(やまぶしかぐら)。盆から秋にかけて行われ、能の古態を残していると言われる。(出典:デジタル大辞泉)
杉沢比山番楽は、鎌倉時代のころに鳥海山の修験者(山伏)から村人へと引き継がれ、そのころから舞われていたと伝えられています。そして昭和53年には、国の重要無形民族文化財の指定を受けています。
では熊野神社のようすをご案内いたします。
1. 熊野神社のようす
熊野神社には駐車場がありませんので、熊野神社の正面にある「熊野橋」を渡って右手の「語りべの館・杉沢比山伝承館」の駐車場に停めさせてもらいました。駐車場には50台くらい停められます。
ここに車を停めさせてもらい、歩くと1分ほどで熊野神社に着きます。道路のまっすぐ先には、熊野神社が見えています。
駐車場の入り口には、杉沢比山番楽ののぼりが立てられていました。
下の写真は、駐車場を出ると右手に見える鳥海山です。鳥海山の稜線がなだらかですね。左手のこんもりした林の中に熊野神社があります。
道の途中には、ひまわりの花が咲いていました。
「くまのはし」を渡ると、正面に赤い立派な鳥居の熊野神社があります。
熊野橋を渡ると、目の前は熊野神社です。
青い空に赤い鳥居が映えて美しいです。
扁額(へんがく)も立派ですね。
入り口には「村社 熊野神社」の社号標(しゃごうひょう)が建っています。
そしてここは、鳥海山一合目となっているのです。
そのまっすぐ奥に熊野神社があります。
てっぺんは下の写真のようになっていました。
梁(はり)にはいろいろな彫刻がほどこされ、それはもうみごとなものでした。梁の彫刻を見ることができて、すごく得した気分になりました。
下の写真には鶴や龍が見えます。
二頭の獅子も見えます。
熊野神社の正面向かって左手には4つの小さい神社がありました。
左手手前から「馬頭観音」・「古四王神社」・「疱瘡神社」・「吉坊神社」でした。
4つの神社の前には、8月15日と20日に行われる杉沢比山番楽のために、テーブルやイスが準備されていました。
そして右手には杉沢比山番楽の舞台が設置されていました。当日にはこの舞台もきれいに飾られることでしょう。
8月15日に本舞を見に来ることが今から楽しみです。
夕闇に灯る提灯は幻想的な世界を作り出すことでしょうね。
2. 杉沢比山番楽を見に行って来ました。
~追記~
杉沢比山伝承館の駐車場に車を停めさせていただいて、8月15日の夜杉沢比山番楽を見に行ってきました。
ぼんぼりに明かりが灯って、熊野神社までの道を照らしてくれていました。
境内は狭いですが、たくさんの人が集まって来ています。
舞台に幕が張られ、きれいに飾られていました。
一番目は、翁(おきな)のお面をつけて扇子を持って軽やかに舞う「番楽」という舞でした。
次は、中学生の男子が鈴や扇子を持って、「三番(さんば)そう」という舞を力強く立派に舞っていました。
三番目は、にこやかで非常に良い表情の翁(おきな)のお面をつけて舞う、翁(おきな)という舞でした。
続いては「みかぐら」です。
続いては「鳥舞(とりまい)」
次は中学生の男子二名による「景政(かげまさ)」です。
そして「蕨折り(わらびおり)」
「高時(たかとき」と続きます。
19時から始まった番楽も21時半を過ぎて後半に差し掛かりましたが、雨が降ってきてしまいました。
雨は降っても22時30分まで続くのですが、最後までは見ずに名残惜しさを感じながら帰路につきました。
住所:〒999-8313
山形県飽海郡遊佐町杉沢宮ノ後23