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【2023年10月】遊佐中学校のシンボルは澄川喜一氏制作「TO THE SKY」

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我が家には息子が3人。

山形県の遊佐町にある遊佐中学校を卒業してから十数年経ち、息子たちの卒業と同時に、私も遊佐中に行くことがなくなりました。

でも、台所に飾ってある、美術の時間に息子がドライポイントで描いた「TO THE SKY」を見るたびに、息子たちの中学時代を思い出します。

TO THE SKY 息子のドライポイント作品

「TO THE SKY」息子のドライポイントの作品

「あの頃は思春期特有の反抗期やら何やらで、モニュメントをゆっくり眺める心のゆとりが私自身に全然なかった。十数年経った今だからこそ、もう一度じっくり見てみたい」という想いに駆られ、遊佐中学校のシンボルである「TO THE SKY」を見に行って来ました。

本日は、「TO THE SKY」のモニュメントや制作者について詳しくご紹介いたします。

遊佐中のモニュメント正面「TO THE SKY」

正面から見た「TO THE SKY」
2023(令和5)年10月22日撮影

1.「TO THE SKY」は新生 遊佐中学校に設置されたモニュメント

今からちょうど30年前の1993(平成5)年に、遊佐中・菅里中・藤崎中の3校が統合され、新生 遊佐中学校が開校しました。

遊佐中学校の建設と同時に設置されたモニュメントが「TO THE SKY」です。

「TO THE SKY」横からの形

斜め横から見た「TO THE SKY」

このモニュメントは遊佐中の真正面にあり、黒御影石(くろみかげいし)[花こう岩]でできています。そして、空に向かって伸びていて、美しい反り(そり)のある形をしています。

「TO THE SKY」そりのあるかたち

「TO THE SKY」そりのあるかたち

下の方は重厚感のあるデザインで、時もいっしょに刻まれている感じがします。

「TO THE SKY」の下の方

「TO THE SKY」の下の方

真横から見た「TO THE SKY」

横から見た「TO THE SKY」

「TO THE SKY」の真後ろ

「TO THE SKY」の真後ろ

2.「TO THE SKY」の制作者は、彫刻家の澄川 喜一氏

このモニュメントの制作者は彫刻家の澄川 喜一氏ですが、残念ながら 今年 2023(令和5)年4月に91歳で逝去されました。

モニュメントの脇には説明板が設置されていましたので、澄川氏についてご紹介します。

「TO THE SKY」の説明板

「TO THE SKY」の説明板

1931年、島根県生まれ。東京芸術大学彫刻家科を経て野外彫刻など公共空間における造形の新たな文化を切り開く。東京芸術大学学長(1995~2001年)をはじめ教育分野や文化行政にも貢献し、1998年に紫綬褒章、1999年に紺綬褒章。2008年には文化功労者に顕彰される。

この間、東京アクアライン川崎人口島「風の塔」や東京スカイツリーのデザイン監修を行うなど、「そりのあるかたち」は、氏の造形美を表す真骨頂ともいえる。2020年には文化勲章を授与された。(遊佐町立遊佐中学校 遊佐町教育委員会)

この説明板は、澄川 喜一氏が2020年に文化勲章を授与されたときの記念とお祝いとして、遊佐町が作成したそうです。

褒章や勲章を授与され、なんと2012(平成24)年に東京都墨田区に開業した、634mもある世界一高いスカイツリーのデザインにも携わっていた方だったとは驚きです。

澄川 喜一氏のホームページを見てみると、形が違う「TO THE SKY」や、いろいろな作品が全国各地に設置されていました。

その一つがこんなに身近なところに設置されていて、じっくり見ることができて、なんて幸運なんでしょう!

右斜め横から見た「TO THE SKY

校庭のあちこちから眺めていたら、一つ発見したことがありました。

それは、校舎と「TO THE SKY」の全体が見える場所に立ったら、「TO THE SKY」の先端が、ちょうど校章の真下に来るのです。

よく見ると、遊佐中学校の屋根の形もすてきですね。

遊佐中学校と「TO THE SKY」

遊佐中学校と「TO THE SKY」

校章のちょうど真下に「TO THE SKY」

校章のちょうど真下に「TO THE SKY」の先端

壁面の校章は色がとれていましたが、これが遊佐中の校章です。

遊佐中の校章 (遊佐中学校のHPより)

実際に空に向かって伸びるモニュメントを眺めていると、希望や無限の可能性を感じ、私も勇気をもらえました。

澄川 喜一氏は「TO THE SKY」を通して、遊佐中生に「夢に向かって、力強く翔び立て!」という想いを込めてくれたような気がします。

生徒たちは卒業しても、この「TO THE SKY」を、きっと忘れないでしょう。

3.遊佐中の学校文集の名前も「TO THE SKY」

ちなみに、遊佐中の学校文集の名前も「TO THE SKY」といいます。

モニュメントの「TO THE SKY」といっしょに、この文集にも歴史が刻まれています。

遊佐中の学校文集「TO THE SKY」

遊佐中の学校文集も「TO THE SKY」

4.息子のスケッチと同じ場所に立ってみて

そして、これはドライポイントで作成する前の息子のスケッチです。(探してみたらありました。)

息子のスケッチ「TO THE SKY」

「TO THE SKY」息子のスケッチ

どの場所から描いたのだろうと思って、「TO THE SKY」の周りを歩いてみると、その場所を見つけました。

「TO THE SKY」の台座のプレート

十数年の時を経て息子と同じ場所に立ち、「このモニュメントに魅かれて、ここで一生懸命描いたんだ・・・」と思うと、その頃の息子の顔が思い浮かび、なつかしさが込み上げてきました。

「TO THE SKY」を見に来て良かった。

とても素晴らしい作品ですので、ぜひ一度、見に行ってみてください。

遊佐町立遊佐中学校
〒999-8311

山形県飽海郡遊佐町小原田字上川原18-1
TEL 0234-72-2820
遊佐駅から車で4分

「TO THE SKY」の台座のプレート

「TO THE SKY  1993  K.SUMIKAWA」

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