私が住んでいる山形県の遊佐町には、鳥海山からの恵みである「湧(わ)き水」があちこちで湧いています。
数十年前に鳥海山に降った雨や雪が地下水となって流れ出し、豊かな湧き水となって私たちの生活を支え、潤してくれています。
吹浦地区の湯ノ田(ゆのた)にある「釜磯(かまいそ)海岸」の砂浜には、ポコポコと湧き出る湧き水を何ヵ所も見ることができます。
平成29年には山形県が選定する「里の名水・山形百選」の一つに選ばれた、すぐれた湧き水です。
とても不思議な模様を描く釜磯海岸の湧き水と、今が海水浴シーズンのピークを迎えている釜磯海岸のようすをご紹介いたします。
1.釜磯海岸はどこにあるの?
酒田方面から来る場合、遊佐町の国道7号線の菅野地区に「道の駅鳥海 ふらっと」があります。
「ふらっと」をすぎてすぐの交差点を左に曲がると国道345線に入ります。
国道345線を車で直進すると、3~4分くらいで左手に「十六羅漢岩」。
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そこから1~2分くらいで左手前方に釜磯海岸が見えて来ます。
中央のくぼんでいる部分では、近くまで行くと湧き水の湧いている様子をはっきり見ることができます。
左手前方に「釜磯」という看板が見えてきますので、そこから左折します。
そこからまた左に曲がって直進します。
やっと駐車場に着きました。ここは空き地になっていて車が100台位は停められます。西浜海水浴場の駐車場は有料ですが、こちらは無料です。
2.いつもはひっそりとした釜磯海岸が、夏は海水浴客でにぎわいます。
駐車場の左手から釜磯海岸に入ります。
下り坂になっていますので転ばないように注意しないといけません。
坂道を下っていたら、親子連れの小学生の女の子二人が後ろから来ました。
夏休みになってはじめての海水浴なのか、海水浴客でにぎわっている様子を見て、笑顔で「うわぁ~!幸せすぎるぅ~」と言って、私のわきをはしゃいで下りていきました。
その気持ちよ~くわかります!
こんな光景を見たら、誰だってワクワクしますもんね(^^)/。
すぐ近くの西浜海岸のように広くはありませんが、岩場があったり湧き水があったりして、十分に楽しむことができます。
私も子供たちがまだ保育園や小学生だった頃、釜磯海岸に海水浴につれてきたものでした。
ただ、海岸右手の岩場は危険が伴うため、立入禁止になっていました。
海岸の入り口あたりには簡易シャワーや手足を洗うための水道、そしてトイレが二つ設置されていました。
みんなが安全に泳げるように監視員さんがいて、「沖には行かないように~」と注意を呼びかけてくれていました。
3.初めて見る人はもちろん、何回見ても感動する湧き水の様子
この砂浜では湧き水のせいでくぼんでいて、よく見ると水が湧いているのがはっきり見えます。
写真をごらんのとおり、砂浜に円形になって中心部から湧き水が噴出しています。
砂の白い部分と黒い部分(砂鉄)が混ぜ合わさり、マーブル状になって二つと無いめずらしい模様が作り出されます。
岩のわきではポコポコというより、砂鉄を巻き上げながらボコボコと湧き水が噴出しています。
ぜひ一度見ていただきたい光景です。
この水が今から数十年前に鳥海山に降った雨や雪で、地下水となって流れ出て来たなんて、本当に感動しますよ!
この男の子は、きっと初めて湧き水を見るのでしょうね。
湧き水の不思議な光景に、しばらくの間じーっと見つめていました。
湧き水が噴出しているところに手を入れてみると、夏なのにひんやりしてとても冷たく、10度くらいの一定の温度が保たれています。
湧き水があちこちでこんこんと湧き、それが流れになって海に注ぎ込んでいます。
そのため西浜海岸で泳ぐより、こちらで泳ぐ方がはるかに冷たいです。
湧き水の部分は底なし沼のようで、足がズブズブとはまっていきます。
小さいお子さんは特に注意が必要で、「足元注意」の看板も立っています。
4.「鳥海山・飛島ジオパーク」になって伝えたいこと
平成28年9月9日に、遊佐町は山形県の酒田市・秋田県にかほ市・秋田県由利本荘市とともに「鳥海山・飛島ジオパーク」に認定されました。
ジオパークとは・・・
「地球・大地(ジオ:Geo)」と、「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、まるごと楽しむことができる場所をいいます。(以下省略)(日本ジオパークネットワークHPより)
この釜磯の湧き水も、もちろんジオサイトになっています。
たとえば、子どもたちが釜磯海岸に海水浴に来て湧き水を見たときに、「この湧き水は、どこから来るのだろう?」と思って聞いたり、調べたりしたとします。
その結果、この湧き水は「鳥海山に降った雨や雪が何十年もかけて出てきた水なんだ!」ということがわかれば、今までなんとなく眺めていた鳥海山を、今までとはちがった見かたをすることができるようになるでしょう。
釜磯の湧き水のほかにも、箕輪地区にある「丸池様」、女鹿地区にある「神泉(かみこ)の水」、滝の浦地区にある「大鳥神社の滝の水」など、鳥海山からの水の恵みである湧き水の有名な所がたくさんあります。
箕輪地区の丸池様
女鹿地区の神泉(かみこ)の水
「滝の浦地区の大鳥神社」
「大鳥神社の滝の水」
こんこんと湧き水が湧く遊佐町は、まさに鳥海山を通して地球を学ぶことができ、なおかつ楽しめる場所です。
遊佐町の良さを、ぜひ知っていただきたいです。
鳥海山は山形県と秋田県の県境に位置しており、標高は2,236m。
山頂の住所は「山形県飽海郡遊佐町吹浦字鳥海山一番地」。
東北で一番高い山は福島の燧ヶ岳(ひうちがだけ)で2,356m。
それに次いで120mの差で鳥海山は二番目で、別名「出羽富士(でわふじ)」とも呼ばれています。
2017年5月(遊佐町岩川から撮影)
2017年12月(遊佐町当山から撮影)
<手前の赤い鳥居は剣龍神社>
2018年4月21日
<遊佐町中山河川公園桜まつり>
2018年5月27日
<遊佐町新吹浦橋から撮影>
2018年10月6日
<稲刈り後の田んぼと鳥海山>
2018年11月18日
<11月初めから鳥海山に雪>
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〒999-8521
山形県飽海郡遊佐町吹浦国道345号線
ぜひ一度、釜磯の湧き水の様子を見においでください。