これからご紹介する鳥海国定公園指定の三崎公園遊歩道は、山形県の最北端の遊佐町(ゆざまち)と秋田県にかほ市象潟町(きさかたまち)の県境にあります。
この一帯には、松尾芭蕉(まつおばしょう)が歩いた「奥の細道(おくのほそみち)」の三崎山旧街道や海沿いの遊歩道があります。
駐車場の向かって右端に、「奥の細道 三崎峠」という道しるべの字が剥(は)げかけていますが、旧街道の入り口があります。
松尾芭蕉(まつおばしょう)
寛永21年(1644年)~元禄7年(1694年)
江戸時代前期の俳諧師。現在の三重県伊賀市出身(ウィキペディアより)奥の細道とは・・・
元禄文化期に活躍した俳人松尾芭蕉の紀行及び俳諧。元禄15年刊。日本の古典における紀行作品の代表的存在であり、芭蕉の著作中で最も著名で、「月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行きかふ年も又(また)旅人也(たびびとなり)」という序文より始まる。(ウィキペディアより)
どちらのルートでも三崎公園まで行くことができますが、今日は遊佐町側の駐車場に車を停め、海沿いの遊歩道を歩いてみました。
天気の良い日に日本海を眺めながら整備された遊歩道を歩くのは、実に気持ちがいいです。天気が良ければ、海のむこうに「飛島(とびしま)」が見えます。
では、三崎公園遊歩道をご案内しますので、いっしょに歩いてみましょう。
1. 遊佐町吹浦側の三崎公園遊歩道の駐車場のようす
三崎公園の看板がないため、つい通りすぎてしまいがちですが、遊佐町の女鹿地区から秋田県の象潟町へと向かう途中の左手に駐車場があります。
目じるしは「Touch! 鳥海山・飛島ジオパーク」という青い看板です。
ここには車を30台くらい停められます。
駐車場には、A「奥の細道コース案内」とB「三崎公園観光案内図」、そして奥の細道を旅した松尾芭蕉(まつおばしょう)と弟子の曽良(そら)の話のC「三崎山 奥の細道」の看板が立てられています。
A
B
C
話がちょっとそれますが、秋田から遊佐町までの国道沿いのあちこちで、秋田の名物である「ババヘラアイス」が売られています。
もちろん、この駐車場でも春から秋まで、カラフルなビーチパラソルが目じるしの「ババヘラアイス」が売られています。
中高年の女性がヘラでアイスを盛るから「ババヘラアイス」。
うすいピンクと黄色のアイスをバラの花びらのように盛ってくれて、大変好評です。
値段は一個200円で、アイスクリンのような舌触りで暑くなるとよく売れています。
2. 三崎公園の成り立ちと名前の由来
三崎公園一帯の成り立ちと名前の由来を調べてみました。
鳥海山の溶岩流が海に流れ込み、それが長い時間を経て波に侵食されて断崖絶壁となっている。
公園内には、不動崎(ふどうざき)・大師崎(たいしざき)・観音崎(かんのんざき)という3つの岬があり、これが日本海に突き出ていることから、三崎(みさき)と呼ばれている。(ウィキペディアより)
3つの岬はのちほどご案内いたします。
3. いざ遊歩道へとスタートです!
駐車場の左手に、遊歩道へと下る石段があります。
目の前には美しい日本海が広がり、抜群の眺めです。歩き始めてすぐに木製のベンチが設置されています。
まだ歩き始めたばかりなので一休みせず、足元のかわいい花をながめながら
この先はどうなっているのかワクワクしながら先に進みます。
石段を上ると、何やら右手に巨大な岩が見えます。
人の手を加えられてこのような形になったのか、全くの偶然でこのようになったのかわかりませんが、まるでオブジェのようです。
しばらく歩くとまたベンチがあり、海の青さと空と雲・・・ずっと眺めていたくなるほどの景色です。
広々とした海を眺めると心まで大きくなって、日常での悩みごとなど小さく思えます。
はるか海の向こうに見えるのは「飛島」で、今までに3回ほど行ったことがあります。
酒田から定期船「とびしま」に乗ると、約1時間15分で飛島に着きます。
前方には展望台と、その先に羽後三崎灯台(うごみさきとうだい)が見えます。
展望台の手前に公衆トイレがありました。
まずは展望台に到着し、さわやかな風を感じながらひと休み。
海も空も雲もとてもきれいで、心が癒(いや)されます。
展望台からまた急な石段を上ります。
むこうに見えるのは「羽後三崎灯台(うごみさきとうだい)」です。
まだまだ歩かないと羽後三崎灯台までは着きません。
今来た道を振り返ると「不動崎(ふどうざき)」が見えます。
<不動崎>
そして、向こうに見える灯台の前方が「大師崎(たいしざき)」になります。
<大師崎>
灯台近くまでの石段がかなりきついですが、ひたすら石段を上ります。
今回は、楽しくというよりは気合と根性で歩くというくらい険しい遊歩道です。
草むらの中には、オレンジ色に赤い斑点のオニユリの花が咲いていました。
だんだん灯台が近づいてきました。
やっと羽後三崎灯台の前まで来ました。
あんなに小さく見えた羽後三崎灯台を目の前にして、「一歩一歩前に進んでいれば、いつかはその場所に着くものだなあ」と改めて感じました。
人生も同じで、「コツコツ努力していれば、いつかは夢がかなうのではないか」と信じたいです。
まだまだこの先は続きます。灯台を過ぎて少し歩くとブナ林に入り、木漏れ日の中を歩くのは実に気持ちがいいです。
ブナ林をぬけると旧街道と三崎広場の道しるべがありましたが、三崎広場の方に進みます。
ここから先は下り坂です。今まで来た道とはまた違った風景が目の前に広がります。
しばらく歩いていくと「観音崎(かんのんざき)」が見えてきました。
<観音崎>
まだまだ急な下り坂が続き、足腰が相当鍛えられそうです。
やっと周囲が見渡せるところまで下りて来ましたが、出て来てビックリ!!
こんなにすばらしい光景が待ってくれていようとは思っていませんでした。
左手前方に見晴らし台が見えたので、そこを目指して歩きます。
見晴らし台まで向かう途中も海と空を眺めながら歩きます。
遠くに帆に風を受けたヨットが漂っています。
そして観音崎の岩場にはなんと人が見えます!三崎海岸の岩場ではロッククライミングできるそうです。
しばらく歩いてやっと見晴らし台への入り口まで来て、また石段を上ります。
やっと見晴らし台まで着きました(ホッと一息・・・)。
遊佐町側から歩いて来ましたが、もうこの一帯は秋田県にかほ市の象潟町になっています。
目の前に広がる海を見て、「ここまで歩くのには苦労したけど、歩いて来てよかった!」と思いました。
ここからまた、今来た道をもどらないと行けません。(なんだか気が遠くなりそうです。)
歩いてきた道を眺めると、山の中までずっと遊歩道が続いているのが見えます。
「よくここまで歩くことができたものだ」と我ながら感心します。なんだか万里の長城みたいですね。
下の写真は、見晴らし台をあとにして石段を下りるときに写した、にかほ市象潟町から来た場合の駐車場です。
車が100台くらいは停められるほどの広い駐車場ですね。
この次は象潟町の方から入ってこの駐車場まで車で来て、まだ見ていないこの一帯をご案内しますね。(^^)/
色鮮やかなピンク色のハマナスの花が咲いていましたよ。
住所: 山形県飽海郡遊佐町吹浦字三崎
JR羽越本線吹浦駅から車で10分
山形自動車道 酒田みなとICから車で25分(国道7号線秋田方面へ)